Potion Craft: Alchemist Simulator

Potion Craftは、錬金術師として様々なポーションを製造、販売するゲームです。ポーションには様々な種類の特殊効果があり、顧客のニーズに合った製品を調合することで収益を得ていきます。

このゲームの遊びの大部分を占めるのは、ポーションの製造パートです。

ポーションの製造画面は鍋、ふいご、水差し、すり鉢といった器具と、ポーションの状態を表現した2Dのマップがあります。マップには小さなビーカーが配置され、プレイヤーが器具を操作するのに対応してマップ内を動き回ります。マップにはポーションに付与することができる特殊効果を示すアイコンが多数配置されていて、ビーカーをアイコンに重ねる事で、効果を付与することができます。

ここで重要なのが、ビーカーは自由に動かせるわけではないということです。プレイヤーは十字キーやマウスでビーカーを移動させるのではなく、鍋に素材を投入してかき混ぜることでビーカーを動かすのです。どういうことでしょう?
プレイヤーはポーションの素材となるアイテムをいくつか持っています。各アイテムは種類ごとにビーカーの動く軌跡が設定されていて、鍋にアイテムを投入した状態でかき混ぜると、マップ上のビーカーはその軌跡の通りに勝手に動きます。

単一の材料だけでは同じ方向にしか行けず、マップには障害物も配置されているので、基本的には複数の素材を用いてゴールに向かうことになります。
数十種類の材料が登場し、そのいずれもがひねくれた軌跡を描くので、決して最短経路でゴールまで辿りつかせてはくれません。
逆に、ゴールにたどり着けることができるなら、どんな材料の組み合わせを使ってもよく、解法にはかなり自由度があります。

最高品質のポーションを作るためには少しずつ注意深くビーカーを動かしていく必要があり、この繊細な作業からはステレオタイプな化学実験っぽさを感じました。

メカニクスと関係のない部分では、実験器具を介してを操作する時の感触が面白いと感じた。特にすり鉢で素材をすり潰す感覚が気持ちいい。やっていることはマウスカーソルを上下させているだけなのに、薬草の柔らかさや鉱石の硬さが伝わってくる。

問題点もないわけでは無い。
店を訪れる客の中には、商品に細かい要望を出してくる人がいます。必ずしもすべての要望を満たす必要はないが、より多くの要望を満たせるほど高い対価を支払ってくれる。
しかし、このような特注の商品に対するボーナス報酬は、作業の面倒臭さに見合っているとは思えませんでした。加えて、ゲームクリアまでには何度も何度もポーションを作る必要がある。
こうした事情があって、自分がプレイすると実時間を優先して薄利多売をしてしまう傾向がありました。最短日数クリアなどの縛りプレイをしない限り、客のニーズを完璧に満たす動機が小さいと思います。